■半分勝手な高校入試情報

vol1 〜ここが出た出た!今年の公立高校入試〜


 公立高校入試がBグループ:2004年3月11・12日(木・金)、Aグループ:3月15・16日(月・火)に行われました。今回は記念すべき第1号ながら重い話題になってしまいましたが、このA・Bグループ入試の問題を分析してみました。


英語 Bグループ

・ハリー・ポッターに関するリスニング問題(20問)
・電話での応答文(英作問題:2問)
・サマースクールへ行っているユミからの手紙文(長文読解問題:9問)
・アメリカの学校における宿題の問題(会話問題:6問)

【問われた内容】
▼空欄補充(過去形・現在進行形・make 人 〜・interested in 〜)
▼前置詞(without 〜)
▼要約
▼語句整序(to 〜 不定詞)
▼会話の流れをつくる
▼状況に応じて何と答えるべきか?
▼内容一致
▼決まり文句(How often 〜・haven’t 〜 yet)

英語 Aグループ

・友子がジョンを魚釣りに誘うリスニング問題
・店でバッグを買う際の会話(英作問題)
・ニュージーランドと日本での食生活や気候・考え方の違いをテーマにした長文読解問題
・コンピュータの利用についての会話問題

【問われた内容】
▼決まり文句(be surprised, Is there anything wrong ?)
▼現在進行形・受動態・現在完了形
▼要約
▼数学的思考
▼内容一致
▼語句整序
▼疑問詞
▼文のつながりを考える空欄補充問題
▼会話の展開


◎講師陣から見た出題傾向と対策
 リスニング問題は依然として大きな割合を占めています。英文そのものはそんなに難しくないので、日頃から英語を聞く習慣を身につけるといいかもしれません。
 昨年から問題形式が少し変化したため、長文読解問題に要約問題が加わりました。本文をしっかり理解できていれば難しくはないはずです。長文を読むときには段落ごとに何を言っているのかを常にとらえて読むとよいでしょう。
 英作問題や会話問題では前後の文のつながりを考えることが重要です。また、場面ごとに使われる表現や決まり文句を覚えておくのもお得です。


数学 Bグループ

・数の四則計算
・方程式と方程式を用いた文章題
・関数と図形を混合させた問題
・さいころを利用した確率の問題
・角・図形とその証明
・立体上の最短距離を利用した問題     など

【問われた内容】
▼数とその計算
▼円周角の定理の応用
▼約数
▼円と接線の利用
▼方程式(1次・2次・連立)
▼平行線と面積比
▼関数(1次・2次)
▼相似な図形
▼図形と角(平行線と角の応用)
▼三平方の定理
▼平行四辺形の証明(穴埋め式)
▼確率

数学 Aグループ

・数の四則計算
・真偽問題
・図形と角
・文章題
・図形とその証明
・関数・場合の数     など

【問われた内容】
▼数と式(文字式も含む)
▼連立方程式を用いた文章題
▼文章の真偽
▼三平方の定理
▼2次方程式
▼条件に沿ってのグラフ作成問題
▼平方根を用いた文章題
▼平行線・図形と角
▼並び方に関する場合の数
▼円すいの側面積
▼図形と証明(相似な図形)
▼平行線・相似な図形と面積比
▼1次関数・2次関数と図形の混合問題


◎講師陣から見た出題傾向と対策
 計算問題はいずれも基本的なので、確実に得点できるようにしておきたいものです。また、文章題は問題をしっかりと読んで、何を求めるのかを見ておきましょう。
 図を利用した問題は比較的正確なものばかりです。もちろん、計算によって求めることができれば一番いいですが、どうしてもわからないときは図とその数値を参考にして推測して求めることも運がよければ可能です。
 確率は「2つのサイコロを用いて…」など、大体パターンが決まっています。たくさん問題を解いてパターンを身につければそんなには難しくはないでしょう。


国語 Bグループ

・文章の誤りと訂正について(随筆)
・小6の男の子が川で釣りをする話(小説)
・晋の人民が簡子に鳩を献上したわけをある人が話す問題(漢文)

【問われた内容】
▼漢字の読み書き
▼主人公の気持ち
▼接続詞
▼脱文補充
▼内容把握・理由説明
▼「…」の働き
▼指示内容を答える問題
▼現代語に相当する語を書き下し文より見つける
▼筆者の考えの要約

国語 Aグループ

・スポーツにおける好調・不調・ミスについて(評論文)
・生命の誕生・そして科学と芸術について(随筆)
・世の中で一番捨てがたいものについて(古文)
・漢字の読み取り・書き取り

【問われた内容】
▼漢字の読み書き
▼空欄補充問題
▼副詞
▼科学と芸術の共通点
▼語の説明
▼段落要約
▼指示内容を答える問題
▼現代語に相当する語を原文より見つける
▼内容一致問題


◎講師陣から見た出題傾向と対策
 漢字の読み書きについては知っているかいないかの違いなので、日頃から学習を深めておくとよいでしょう。また、要約問題は毎年必ず出題されています。文章の意味をとらえて、自分の力でまとめられるようにしておきましょう。
 現代文は本文中の指示語について常に何を指しているかを捉えるように読み、接続詞で文章の流れを見ながら主題を大まかに把握しましょう。
 古文・漢文については現代語訳の穴埋めが毎年必ず出題されています。落ち着いて前後の訳を見れば解けるものばかりなので、現代語訳にはしっかり目を通しましょう。


理科 Bグループ

・半円形のレンズと凸レンズの実験問題
・圧力条件よりおもりの質量を求める問題
・硝酸カリウムに関連づけた語句補充問題
・銅を酸化させる実験問題
・分解者の働きの実験問題
・茎の断面図を用いた道管・師管の問題
・金星の位置と見え方に関する問題
・気圧と前線の問題

【問われた内容】
▼屈折と反射
▼食物連鎖
▼実像と虚像
▼食物連鎖に関わる4者の関係
▼圧力
▼実験結果の記述問題
▼化学反応式
▼微生物のはたらき
▼酸化と還元
▼地球から見た金星の見え方
▼酸化物のグラフ
▼前線の性質とその断面図

理科 Aグループ

・台車と箱の運動に関する実験問題
・オームの法則を用いて電熱線付き回路の電圧を求める問題
・鉄+硫黄の反応物に対する問題
・3種の物質を見分ける実験問題
・植物の呼吸と光合成に関する実験問題
・染色体に関する問題
・プレートと地震の関係
・太陽の動きと南中について

【問われた内容】
▼オームの法則
▼反応してできた物質について
▼速さとエネルギー
▼光合成と二酸化炭素
▼硫化物の性質
▼染色体
▼有機物
▼減数分裂


◎講師陣から見た出題傾向と対策
 記述式問題は毎年必ず出題されています。今年のように、実験結果だけでなく、なぜそうなったかとか、実験方法なども簡潔に説明できるようにしておきましょう。
 物理的分野は公式や法則がたくさんあります。なかなか覚えるのは大変ですが、計算問題のためにもしっかり覚えておきましょう。
 化学的分野では化学反応式は必ず覚えておきましょう。また、グラフや図を用いた問題が出題されやすいので、慣れておきましょう。最近ではグラフの作成問題も出題されています。実験結果より何を求めるかに注意してグラフに表せることもポイントです。
 生物的分野では植物や人のつくり、自然界のしくみなど幅がひろいですが、今年のように食物連鎖関係の問題が多数出題されています。また、人と植物のしくみなども多く出ています。教科書にある実験方法やその結果などを確認しておきましょう。
 最後に、地学的分野では大地の変化に関する問題が最近では多く出題されています。今年のように満ち欠けの問題や前線・気圧も要チェックです。いずれにせよ、出題パターンは決まっているので、早めに慣れましょう。


社会 Bグループ

・日本の気候
・気温と降水量のグラフより都市を見つける
・旅行計画より世界の地名・名所・農産物などを答える
・年代整序
・ペリー来航以後の日本の輸出・輸入品について
・文化名を答える
・同時代の出来事を答える
・寛政の改革の内容
・株式会社
・銀行のしくみ
・需要と供給
・裁判について

【問われた内容】
▼日本の都市の気温と降水量・気候・人口密度
▼資料読解
▼金融とは?
▼飛鳥文化
▼需要と供給・物価について
▼日本の貿易
▼公正取引委員会の役割
▼同時代の世界と日本の出来事
▼裁判の種類・裁判官について

社会 Aグループ

・相模湖周辺地図を利用した地形・距離を求める問題
・神奈川県他4道県の工業の特色・統計問題
・世界の気候・農産物・資源他を問う問題
・明治時代の日本の様子
・世界と日本との出来事の関わり
・地方公共団体とその役割・費用など
・日本国憲法について

【問われた内容】
▼地形図と縮尺
▼同時代史
▼世界の気候
▼農地改革について
▼タイの輸出入額
▼適文選択
▼年代整序
▼国の財政
▼産業革命について
▼基本的人権・法律の制定


◎講師陣から見た出題傾向と対策
 地理的分野では図を利用した問題が毎年出題されています。特に、気温と降水量のグラフはおなじみといってもいいぐらいです。各地域の特徴を1つでも多く把握し、グラフや図の問題に反映できるようにしておきましょう。
 歴史的分野では同時代に起こった出来事を答えさせる問題が相変わらず出ています。また、歴史的資料をもとに、歴史の移り変わりを感じ取る問題も必出です。資料集にもしっかり目を通し、それぞれの資料についての関連事項を把握しておきましょう。
 公民的分野では統計資料を読み取る問題は多く出ています。また、昨年から資料をもとにグラフを作成する問題が出題されはじめました。さらに、法律・憲法に関する問題はかなりよく出題されています。日頃からニュースや新聞に目を通し、ホットな話題を知っておくことも重要です。また、経済の分野に関しては、銀行や株式のしくみを把握して強くなりましょう。


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