VineLinuxパフォーマンスアッププロジェクト:0016

■grub.confの設定とインストール■

 VineLinux4.0からはブートローダ(複数のOSから1つ選択して起動することが出来るようにするもの)として拡張性に優れているGRUBというものが採用されました。今回はこれの設定方法について説明します。

※ブートローダを変更すると場合によってはシステムを起動できなくなる場合がありますので、熟知した上で行ってください。



★grubを初めて扱う方へ(VineLinux3.2以前のバージョン向け)

 初めてgrubを使う方はまずフロッピーに入れてそこから起動できるようにするのが無難です。いきなりハードディスク上にインストールするのはまさに冒険的行為そのもの。場合によっては再インストールという悲劇になるからです。
 grubはVinePlus等にありますので、ダウンロードしてインストールしてください。ただし、grubのバージョンは0.95以前のものをおすすめします。(バージョン0.95以降のものはインストールされるファイルの置き場所が大きく異なるためです。)
 インストール後、ddコマンドを利用してフロッピーにステージファイルを書き込みますが、その手順についてはこちらのページに詳しく書かれていますのでご覧ください。


2009/ 8/29追記

 VineLinux5.0以降向けの記述を追記しました。ページ下部をご覧ください。

2008/ 5/ 2追記

 VineLinux4.0〜4.2向けの記述(grub-0.97)を追記しました。ページ下部をご覧ください。

★VineLinux3.2以前の場合

 これから先はgrub-0.93をインストールした上での説明とします。バージョンが上がっていても書式は同じですので安心してください。

 インストール後、/boot/grub/というディレクトリができているはずですので、そこへroot権限で移動します。

    cd /boot/grub/

 ここに、grub.confというファイルがあるのでそれをemacsなどで開きます。すると中身は大体下のような内容になっているはずです。

default=0  -----(1)
timeout=10  -----(2) 
splashimage=(hd0,4)/boot/grub/splash.xpm.gz  -----(3)


title Vine Linux (2.4.31-0vl1)  -----(4)
root (hd0,4)  -----(5)
kernel /boot/vmlinuz-2.4.31-0vl1 ro root=/dev/hda5 resume2=swap:/dev/hda7  -----(6)
initrd /boot/initrd-2.4.31-0vl1.img  -----(7)

title WindowsXP  -----+
root (hd0,0)          |(8)
makeactive            |
chainloader +1   -----+

●各行の説明
(1):デフォルトで起動するOSの記述。この場合、"0"だとVineLinuxが起動し、"1"だとWindowsXPが起動することになります。
(2):何秒経過したら(1)が実行されるかという秒数の記述。この場合、10秒経過したらVineLinuxが起動することになります。
(3):grubメニュー画面の背景画像。特に変更を加えなければ右下にブドウの絵がある水色の画像が表示されます。これは自分で好きな画像に変更することが出来ますが、それについてはまた機会があるときにここで取り上げることにします。
(4):grubメニュー画面に表示されるOSの名前の記述。この場合、"Vine Linux (2.4.31-0vl1)"と表示されます。
(5):起動の第1ステップ。rootからはじまり、(hd0,4) は1台目のハードディスクの/dev/hda5をマウントして起動することを意味します。
(6):起動の第2ステップ。ここでカーネルイメージを指定します。そして、/dev/hda5から起動することを示し、swap領域を/dev/hda7に指定しています。
(7):これはSCSIデバイスがあるときのみ記述します。(通常は特に記述しなくても起動できます。)initrdでSCSIデバイスが起動できるように指定しています。
(8):同じハードディスクにWindowsもインストールしている場合はこの通りに記述します。

 これらを参考に、自分にあった設定をしてください。特にカーネルをアップグレードしたり、新たにOSを追加したりした場合は(4)〜(6)を新たに記述してください。

 すべて記述し終えたらファイルを保存してroot権限で以下のコマンドを実行します。

  /usr/sbin/grub-install /dev/hda

 この後、英文でメッセージが出力されます。その中に"No error reported"とあれば成功です。一度電源を落とし、再起動してください。grubはliloと違って、1度インストールすれば次回以降は設定ファイルを書き換えて再起動するだけで自動的にシステムに反映してくれます。その分、失敗するとうまく立ち上がりませんので、十分気をつけてください。

★VineLinux4.0以降の場合

 4.0以降のgrub.confはそれ以前のバージョンと比べて若干記述内容が異なるもの、基本的には上記説明と変わりありません。

 スプラッシュ画像(splashimage記述)についてはデフォルトで用意されていませんが、ご自分で上記形式に圧縮したものを用意すれば可能だと思います。
default=0
timeout=5

title Vine Linux (Current kernel)
	root (hd0,0)
	kernel /vmlinuz ro root=LABEL=/1 resume2=swap:/dev/sda3 vga=0x314
	initrd /initrd.img

title Vine Linux (Previous kernel)
	root (hd0,0)
	kernel /vmlinuz.old ro root=LABEL=/1 resume2=swap:/dev/sda3 vga=0x314
	initrd /initrd.old.img

2009/ 8/29追記

 VineLinux5.0以降では従来のような詳細な起動画面ではなく、進捗バー表示の簡易な起動画面になりました。
 これを従来の詳細な起動画面表示に戻す方法につきましては、こちらをご覧ください。

 なお、カーネルをバージョンアップした際でも/vmlinux , /vmlinuz.oldはシンボリックリンクになっていますので、自動的にリンク先が書き換わるようになっており、grubの設定ファイル自体を編集する必要はなくなりました。




プロジェクト ホームへ戻る