VineLinuxパフォーマンスアッププロジェクト:0082

■古いパソコンで有線ブロードバンドルータを作ってみよう!■

 有線ブロードバンドルータはパソコンショップなどへ行けば安いもので3000円くらいで売っています。もちろんこれを買ってネットワーク構築してもいいのですが、家に使われていないWindows95時代以降のパソコンがあれば自分で有線ブロードバンドルータを作ることもできるんです・・・。


※今回紹介する環境はプロバイダがDHCPによるIPアドレス割り振りの場合における設定方法です(Yahoo! BBやCATVインターネットなど)。PPP接続(NTTのフレッツシリーズなど)には対応していませんのでご了承ください。

●用意するもの

・VineLinuxがフルインストールされた使われていない古いパソコン・・・1台
・LANボード(PCIバス型あるいはPCカード型)・・・1個(場合によっては2個)
クロスLANケーブル(パソコン同士つなぐときに使用)・・・1本
・Ethernetハブあるいはスイッチングハブ(何台もパソコンをつなぎたい場合に使用)・・・必要に応じた数


●LANボードをパソコン内部に設置する

 まずはLANボードをパソコン内部に設置します。デスクトップ型の場合はふたを開けてPCIバスのところに設置してください。ノートパソコンの場合はPCカードスロットの部分に挿入してください。


●ルータの設定

 LANケーブルの差し込み口が2つになっただけでルータ完成というわけではありません。増設したLANボードの設定を行う必要があります。
 ここで注意しておくことが1つあります。増設前に元々ついていたLANケーブルの差し込み口はシステム上"eth0"という名前になっています。そして今回増設した差し込み口が"eth1"という名前になりますので、どちらの差し込み口がどちらの名前だったか忘れないようにしておいてください。

 まずは設定する前にifconfigコマンドで現在のIPアドレスなどを確認しておきましょう。

  /sbin/ifconfig eth0

 ではここから設定に移ります。まずはrootユーザになり、増設したeth1側のLANボードに以下のようにしてIPアドレスを手動でつけます。IPアドレスは192.168.・・・ではじまるアドレスが無難だと思います。

  /sbin/ifconfig eth1 192.168.1.1

 つけ終わったらもう一度ifconfigコマンドで確認してみましょう。

  /sbin/ifconfig eth1

 ここで先ほどのIPアドレスが反映されていればOKです。

 次にこれまでの設定内容をファイルに保存します。rootユーザで/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eth1をテキストエディタなどで開きます。するとレイアウトは大体以下のようになっていると思います。
BOOTPROTO=none
ONBOOT=yes
USERCTL=yes
NAME="XXXXXXXXXXXXXX"
DEVICE=eth1
PEERDNS=yes
IPADDR=192.168.1.1
NETMASK=255.255.255.0
BROADCAST=192.168.1.255
NETWORK=192.168.1.0
GATEWAY=192.168.1.1
 eth1のアドレスを192.168.1.1にした場合、各種設定項目の値を上のようにして上書き保存してください。ただしNAMEの部分は変更しないでください。eth1を192.168.1.1以外にした場合はifconfigコマンドの結果を参考に上の項目の"IPADDR"以下の項目を適切な値に設定してください。

 次に後々のことを考えて、複数台のパソコンでもプロバイダから割り当てられた1つのIPアドレスでインターネットに接続できるように通信の設定を行います。今後DHCPサーバを立ててIPマスカレードを行う際にはこの設定は必須となりますので注意してください。

 rootユーザで/etc/sysctl.confをテキストエディタなどで開きます。するとファイル最初のあたりに

  net.ipv4.ip_forward = 0

 という記述があると思うので、この値を1にして上書き保存してください。

2006/ 6/20追加:その後、以下のコマンドを実行します。

  /sbin/sysctl -w net.ipv4.ip_forward=1

 確実に末端のPCにまでパケットを届けるためには設定ファイル以外にも上のコマンドが必要だそうです。

 これでようやくすべての設定が終了です。最後に設定内容を反映しましょう。rootユーザで

  /etc/rc.d/init.d/network reload

 と実行してください。失敗表示が出なければ成功です。

 これでルータの設定は終わりました。直接ルータと普段使っているパソコンをつなぐならクロスLANケーブルでつなげてパソコン側にIPアドレスを手動で設定すれば通信可能です。また、このルータにあわせてDHCPサーバを入れて複数台で通信を行ったり、iptablesを使ってポート番号の制御やファイアウォール等の構築・インターネット接続をすることも可能です。

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