VineLinuxパフォーマンスアッププロジェクト:0013

■無線LANを使ってみよう!■

 今や無線LAN搭載のパソコンが標準となりつつあります。以前はLinuxで無線LANは少々敷居が高かったのですが、最近ではカーネルの性能が高まり、比較的簡単にできるようになりました。下記の記事は敷居が高かったころのものですが、同様の現象で困っている方のために残しておきます。



 無線LANといってもLinux用のドライバを用意してくれているメーカーは少ないです(最近は徐々に用意されつつありますが)。そこでWindows用のドライバを無理矢理Linux上で動かしちゃいましょう。それを実現するためのソフトウェアがndiswrapperです。

★用意するもの

 VineLinux4.0以降のバージョンではndiswrapperはデフォルトでインストールされているため、インストール作業は不要です。
 下記「★インストール後の設定」作業に移ります。


以下の記述はVineLinx3.2以前のバージョンをお使いの方向けの記述です。

ndiswrapper(ここから)
※VineLinux3.0以降を使用している方 --> ndiswrapper-0.9.tar.gz
 VineLinux2.6を使用している方 --> ndiswrapper-0.7.tar.gz
 を必ずダウンロードしてください(カーネルに依存するためです)。


・Windows用のドライバファイル
※大体の無線LANはそれぞれ専用のドライバがあるはずです。それぞれ型番にあったドライバファイル(例えばBUFFALO WLI-CB-G54ならばnetcbg54.infというファイル)を用意してください。

★インストール方法

※ここからはBUFFALO WLI-CB-G54という無線LANカードを使うとします。
 説明の中で出てくる青字の部分をそれぞれのドライバファイルに置き換えて操作を行ってください。


1. Windows用のドライバCDからドライバファイル(netcbg54.inf)を持ってきます。
2. 持ってきたら、次にndiswrapperを展開します。

  tar zxvf ndiswrapper-**.tar.gz(**はバージョン番号)

3. 展開したディレクトリに移り、root権限でコンパイルとインストールを行います。

  make
  make install


これで特にエラーが出なければインストールは完了です。

★インストール後の設定

 さて、ここから設定に入ります。この先はVineLinux2.6を使用の方でメモリを増設していらっしゃる方はメモリをはずすことをおすすめします(メモリとの相性の関係でフリーズする可能性があるためです)。
 3.0以降を使用の方は特に問題ありません。

4. 無線LANカードを差し込みます。
5. root権限で以下のコマンドを実行します。

  /usr/sbin/ndiswrapper -i /ドライバファイルがあるディレクトリまでのパス/netcbg54.inf
  /usr/sbin/ndiswrapper -m
  /usr/sbin/ndiswrapper -l
 (←ndiswrapperコマンドの場所は人それぞれです。)   

ここで

 Installed ndis drivers:
 netcbg54  hardware present,fuzzy


のような表示が出ていたらOKです。

6. ここで安全のために1度電源を切って再起動をします。

ここからの作業については、お使いのVineLinuxのバージョンによって異なってきます。

※VineLinux4.0以降の場合
7. ファームウェア切り出しコマンドの作成
 WLI-CB-G54はbroadcom社製のbcm4306というNICを使用しています。そのため、bcm43xx-fwcutterというWindows用のファームウェアを切り出すパッケージを使用してファームウェアを作成します。

 VineLinuxで動作確認済みのbcm43xx-fwcutterが当サイトに置いてありますので、下記リンクからダウンロードしてください。

bcm43xx-fwcutter-006.tar.bz2

 ダウンロードが終わったら展開し、展開後できたディレクトリ内に移動してmakeコマンドを実行してください。

  tar zvxf bcm43xx-fwcutter-006.tar.bz2
  cd bcm43xx-fwcutter-006
  make


 makeが終了すると、bcm43xx-fwcutterというコマンドができます。

8. ファームウェアの作成
 7.にて作成したbcm43xx-fwcutterを用いてファームウェアを作成します。ここで、bcmwl5.sysというWLI-CB-G54のWindows用ドライバファイルを利用します。これもVineLinuxで動作確認済みのパッケージを当サイトに置いてありますので、ダウンロードしてください。

bcmwl5.sys

 ※ダウンロード先はbcm43xx-fwcutterコマンドがあるディレクトリ内にしてください。

 ダウンロードが終わったら、先ほど作成したbcm43xx-fwcutterコマンドを使用してファームウェアを作成します。

  ./bcm43xx-fwcutter bcmwl5.sys

 すると作成できたかどうかなど、いろいろメッセージが表示されます。

 無事に終了すると拡張子が".fw"というファイルができますので、これらをすべて/lib/firmware/以下にコピーします。

  cp *.fw /lib/firmware/

その後、一度PCを再起動させて、下記「★アクセスポイントの設定」作業に移ります。

※VineLinux3.2以前の場合
7. 再起動後、root権限でmodprobeコマンドを使ってカーネルへ組み込みを行います。

  /sbin/modprobe ndiswrapper

この時点で特にエラー表示されなければ、BUFFALO WLI-CB-G54の場合、POWERランプが点灯します。他の機種は分かりませんが、dmesgコマンドで確認できるはずです。

★アクセスポイントの設定

 さあ、もうあと一息です。最後にアクセスポイントの設定を行いましょう。
 ここからはVineLinux3.0以降を使用の方はGNOMEの「システム」にある「ネットワークの設定」から簡単に設定できますので、説明を省きます。VineLinux2.6を使用の方はコマンドから設定を行います。
 設定を行う前に、WEPキーとessIDと呼ばれるものが必要になります。これは親機(受信装置)本体かあるいはその説明書などに書かれているはずなので、確認しておいてください。

8. root権限で以下のコマンドを実行します。。

  /sbin/iwconfig wlan0 mode managed
  /sbin/iwconfig wlan0 key ************************** open
  /sbin/iwconfig wlan0 essid "@@@@@@@@@@"
  /sbin/iwconfig wlan0

  ※"*****"・・・WEPキー  "@@@@@"・・・essID

ここでWEPキーとessIDが入力した通りに表示されていればOKです。
最後に、LANケーブルと同じように、DHCP起動の設定を行います。
/etc/sysconfig/network-scripts/以下に"ifcfg-wlan0"というファイル(あるいはそれに近い名前のファイル)があるはずですので、そこに下のように書いておきます。

% cat /etc/sysconfig/network-scripts/ifup-wlan0
DEVICE=wlan0
BOOTPROTO=dhcp
ESSID=**************************
KEY=@@@@@@@@@@
ONBOOT=no

  ※"*****"・・・WEPキー  "@@@@@"・・・essID

こうしておけばいつでもroot権限になって

  /sbin/ifup wlan0

を実行するだけで使えるようになります。


●Special Thanks!

・@IT 〜LinuxでBCM43xx搭載の無線LANカードを使うには〜
 http://www.atmarkit.co.jp/flinux/rensai/linuxtips/923usebcm43xx.html




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